You give me love, you give me life.

 ずっと、バラードが苦手だった。たぶん今も、それほど好きではないと思う。


 
 RAISEのツアーが終わった。いまわたしは駆け込んだのぞみにいる。ちゃんと今日のうちに帰れるし、滑り込みで初回特典三種の映像も見られると思う。明日は仕事に行かないといけない。嫌なやつとかおるかもしれんけど、糧にがんばってって自担が言ってくれたから。

 初日は、本当に遠かった。こんなところに会場があるのかとも思った。日程と開催地だけ見て申し込むのはやめなさいって、ナイツテイルで学んだばかりだったのに。そのあとのツアーで自担もスカイエキスポにおなじ気持ちだったらしいことが徐々に判明したのは、各地遠征した甲斐があったのかもしれない。その場にしかない空気が、現場には必ず存在する。
 撮影スポットがあって、紙チケットを残したいオタクのためにFC特典を用意してくれて、フラッグとツアトラを並べてくれていた。
 本当にわくわくした。うれしくて泣きそうだった。四年も、七年も待ったツアーが始まる。見上げた天井には浮橋があった。知っている機構があるのがうれしかった。わたしはずっと、自担のエンターテイメントがすきだ。すきでいたから、生きてこられた。
 PLAYFULの完全版をやりたい、と言っていてくれた自担が、PLAYFULをRAISEツアーに組み込んでくれたのがあまりにもうれしかったから。愛知の記憶はあのときの涙の色をしている。

 横浜も雨だった。横アリに来たのがいつ振りか思い出せないくらい久しぶりで、アリーナがアリーナじゃないんだった、なんて思い出して笑ってしまった。
 客席を見てません! 見えません! なんて言い放つ自担が、きらきらしてるね、って教えてくれた。横アリのセンターから自担越しに見るアリーナもスタンドも、確かにとても素敵な空気だった。
 あの空間をきらきらしてる、と表現してくれた自担がすきだ、と思ったり、した。

 だいすきな福岡はツアーがもう半分も終わっちゃった、とやっぱりめそめそ向かった記憶がある。二日目は突然急な雨に見舞われて、ここでもやっぱり雨降るかあなんて、何でも自担と結びつけて考えてしまうのはオタクだからだと思う。いつだって東京の天気が気になるし、一月山羊座の運勢を見るし、好きな色は赤色でイニシャルモチーフはKを選ぶ。そういう風に生きてきてしまった。
 SHOCKの話をしてくれた。自担にとって大切なSHOCKが、オタクにとっても宝物だよって、福岡の会場全体で自担に伝えられた気がしたのが、本当に本当にうれしかった。あの日あの場所にいたオタクは全員、SHOCKを観たことがある。それは自担が無理してがんばれ! って鼓舞して続けてきたことの証左。

 ツアーラスト、大阪はどこかぐっと距離が近かった。物理的にも、自担が言っていたように、関西の圧なのかもしれない。MCの雰囲気も大分ちがう。自担が意識して関西弁強めで喋ってるであろうところが、とてもすきだと思う。
 気遣いのひとなのも、緊張しいなのも、人前に出るのが本当は好きじゃないことも、ぜんぶぜんぶ知っている。わざとふざけた言い方で、あらゆる方面に気を遣って、言葉に注意を払いながらほんとはなしでも良いMCをしてくれてることも、オタクはちゃんとわかってる。
 だけど自担はそういうの、好きじゃないのも知ってしまっているから。今日も素直に手のひらの上で転がされることにしてみるのだ。やさしくて思慮深い自担が、してやったりで笑ってくれるから。


 もっとかなしくなるかと思っていた。自担が口にすることは確定事項なので、ほぼ確実に年単位でツアーはない。
 楽しかった、しか残らなかった。四都市十一公演、自担が余裕! って言ってたのと同じで、わたしも余裕だって言ってしまえる。大人になって良かったと思う。自担に会う時間とお金を、自分でコントロールできるから。
 まだまだ行きたい街がある。自担のステージが観たい。十一公演じゃ全然足りない。花道に降りてくるドットステージが雨みたいでとても好きだった。自担が世界ではじめて取り入れた機構。十数年前わずか二十個だったそれは、四百を超える数になった。
 あっと言う間のツアーだった。充実していたし、時間の流れがはやいと感じるように、年を重ねたから。自担と一緒に、ずっと。


 You give me love, you give me life.
 わたしが光一さんからもらったもの。
 いつかちゃんと、返せますように。