愛の話を聞いてくれ

  浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)

地元をいくら探してもなかった浪費図鑑を、わたしはヤマトヤシキ加古川店の紀伊国屋書店で入手しました。
加古川です。そうです加古川です。我が地元晴れの国OKAYAMAから鈍行列車で2時間弱、兵庫県加古川市です。
ヤマトヤシキ加古川もはじめましての場所で、ええもちろん遠征ですとも。浪費図鑑を手に入れる場所としては最高じゃないですか?遠征先で、受付開始時間までの間に入ったローカルデパートの本屋さん。
浪費図鑑を持ってレジを待っていると、前に並んでいた男性は将棋の本を買っていて、ああきっと行き先は同じだなあと思って、そっと背表紙を握る手に力が入った気がしました。初めての現場に行くときはいつも、期待より不安が大きい。
視線を向けた表紙と裏表紙には、オタクの幸福が溢れててなぜか急に、泣きそうになったりして。ああこれは泣く、というときの心臓のざわざわが、わたしはわりとすきです。そのざわざわを感じながら、なにかをすきで、そこに赴くとき、我々はこんなにハッピーな顔ができるんだなあ、と彼女たちを見て思い出しました。
東京ドームで客電が落ちる開演5分前の、明るい会場の中ちかちか光るペンライトに照らされたオタクの顔。わたしはあの、高揚感に満ちた表情がたまらなくすきです。だいすきなひとを待ってるオタクの空気が満ち溢れたこの表紙、最高に素敵。この本絶対すきな本だ、ってわかるの、とても良い。装丁が好みの本って最&高だもんね。最高の本を手に推しの現場に赴くことになり、少し強気になる。オタクは単純。化粧もネイルも大ぶりのピアスもお気に入りのカバーをかけた文庫本も、ぜんぶ自分のための武装。そうやって守って装って、わたしは推しを見に遠征をしています。本日は加古川

  ツイッターに書かれていたとおり、浪費図鑑を読むと自らの浪費の話をしたくなりました。すごい。人に行動を起こさせる文章は本当にすごい。愛は地球を救うかわからないけど、一瞬でも自担に触れたいジャニオタは募金箱を持って武道館に行く。それが愛。愛はここにある。ということで!今日の!わたしの愛の話をしたいと思います!!
今回の遠征は完全に新規沼へようこそ!(※ただしプレゼンターは自分)案件で、わたしは推しがタイトルを取ったらこのブログを読み返して泣く予定。いま決めた。何年後かの自分、待っててほしい。今日の遠征、絶対正解だったから。

  わたしの将棋界の推しは、斎藤慎太郎七段と言います。シュウさんと同じ4月21日生まれ、奈良県出身の24歳。
わたしを知る友人に写真を見せると今のところ100%「好きそう〜〜!」と返ってきてるので、ジョーさんの顔がすきで仕方ないひとにおすすめしたい。斎藤七段、最高に格好良いです。あと優しい関西弁。ノーブルなお顔に関西弁 イズ パーフェクト💯 自担から連綿と続く変えられない性癖のようなものなので、斎藤慎太郎七段が関西人だと知った日、こうなることはわかっていた、ずっと前から。という気持ちになりました。イエス、メルティングスノー。
  初めて将棋の現場に行ったのが8月5日、今日の加古川チャリティーイベントの10日前なので我ながら軽快なフットワークだな!とは思う。しかし今日のイベントは5日より前に申し込みを済ませているので、はまる準備は万全だった。昨今オタク界隈で使われる「沼」という言葉、イメージがすきだ。遠巻きで見てる分にはよくわからないけど、興味をもって一歩足を進めるとずるずるずると落ちて行く。ノンストップで。

  さて、二度目なので相変わらず仕組みのわからない将棋イベ、入場自由並んだ順のようなので開場45分前に様子を見に行く。会場となる会議室前には既に先客が10名ほど(後のオークションタイムでガチ勢だと知る)。
とりあえず最後尾に並んでみるものの、なんだかこう、さすがに社会性に乏しいわたしでもわかる!場違い感!
確かに後から来た方々は皆先頭集団とご挨拶&談笑、廊下を通る棋士にも話しかけるおじ様たち。そして感じるすいません超絶新規がこんなところに居てしまい、感。 
いやでもほら、並べば手にはいる良席、並ぶしかないじゃん。遠慮とかしてても楽しくないじゃん。それでも肩身が狭すぎたのでずっと浪費図鑑読んでました。ありがとう浪費図鑑。「誰かが何かを好きなことには理由があって、きっとその誰かにとっては無駄ではない」というのが刺さりまくりました。わたしのオタクの入口はロザンです。中学生のとき初めて遠征したのが神戸ポートピアランドのロザンの営業でした。あの頃から変わらずロザンは相方がすきなようで、本当にうれしい。

  そして、将棋(というか斎藤慎太郎七段)に興味を持ったきっかけはこの浪費図鑑発行サークル劇団雌猫のひとり、もぐもぐさんのツイートなので、140文字の力はすごい、文章はすごい、と思う。好みの文章を書くひとを軽率に信用するので、わたしはもぐもぐさんのおすすめに弱い。
ちなみに観る将、とか撮る将、とか最近は色々あるみたいだけど、わたしはただの顔ファンです。顔ファン、という言葉もすき。安易でチープでわかりやすくて。自担も顔ファンだしジョーさんも顔ファン斎藤慎太郎七段のお顔がしぬほどすき。すきなひとの顔がすき、こんなにしあわせなことはない。

  チャリティーイベントなので棋士の皆さんが受付してくれて参加費徴収して色紙買ったら袋に入れてくれて、あれ?ここはインディーズバンドの物販カナ?みたいな気持ちになりつつ、糸谷八段のてきぱきさばき加減には本当に!本当に感動しました。
一緒のチームで働いてちょっと邪険にされながら知らない間にフォローされてたい(今回の棋士の先生方の中で、もうひとり一緒に働きたい!と思ったのは井上九段です、上司になってほしい棋士ナンバーワン)。
糸谷八段の元で斎藤七段の色紙を買ったら右隣にふわっと立ってた斎藤七段に「じゃあ渡して」って言ってくれたあたりからもうわたしは糸谷八段が有能オブ有能だと確信しました。
まさかの御本人から受け渡しイベントが突然発生したオタク、頭が真っ白で斎藤七段のネクタイチェックすらできませんでした。「色紙、ありがとうございます〜〜」って言ってもらった。
意味がわからない。そんな、むしろ買わせていただいてありがとうございますなんですけど推しの直筆色紙が手に入り推しから手渡しされ感謝の言葉を述べられるなんて、この色紙どう考えても実質無料(アルバム1枚と同額で買えます)。
糸谷八段、その節はありがとうございました開演前から瀕死でした。
  推しが格好良い、世界はそれだけで美しい。

  イベント自体が写真撮影フリーという気が狂いそうな空間だったので、顔は正面MC聞きながらメモる技術を習得したジャニオタでもプラス写真は無理、という難問に直面したのが今後の課題です。
写真はガチカメラの人たちがたくさん撮ってたからインターネットの海に期待したりしている。どうかな。よろしくお願いしますね。ちょっとカメラ欲しくなったのは秘密だよ。     
  写真と言えばツーショット500円なのも狂気の沙汰かと思いました。界隈が変われば単価が変わる。これだからオタクは止められないな……。写真は何かの間違えで削除してしまったら死亡宣告なので速攻友人にLINEした。「名人若いね!」って返ってきた。未来の名人だよ七段だよ、って訂正しておいた。持つべきものは懐の広いオタクの友達。彼女とは来週博多にブイコンに行きます。偶像崇拝は最高。
わたしは自担の楽屋の壁になりたい系のオタクなので接触イベントは得意じゃないです。心臓がばくばくして動揺しすぎて記憶が飛びます。でも推しの写真がほしいから仕方なく自分も写るんです。わたししか持ってない推しの写真がほしい。浪費図鑑のシャチホコさんと一緒。めっちゃわかる。水道橋でわたしと握手!

  師匠弟子解説も目隠し将棋もトークショーもぜんぶ!楽しかった!最後の稲葉八段と菅井七段の対局はわからないのにすごいおもしろくて、将棋って格好良いな!!って盤上だった。2九飛車、すごくないですか?意味がわからなかった。棋譜を貰ったから実家帰ったら弟に解説してもらおう。
  サイン会では斎藤慎太郎七段と会話をする時間があり(色紙買ったあとにサイン会の存在を知りもちろん参加しました、諭吉は働けば返ってくるけど!あの日の現場は一度きり!)、あまりにも動揺し過ぎて記憶がほとんどないので次があればちゃんとネタを仕込んでいきたい。あれだけ48坂道界隈の握手会レポ読んでるのに!くやしい!
  斎藤慎太郎七段にいただいたこの言葉が、よくわかんないけどすごい、楽しい、っていう感覚を許容してくれているようで、将棋の世界がすごく優しくて、わたしは現場に行く度に(まだ2回目だけど)、将棋のツイートを追う度に、将棋のことがすきになります。そんな現場を作り出してくださる棋士の皆さんは本当にすごい。たのしい。そしてたのしいばかりだったわたしの浪費がわずかでもだいすきな九州のプラスになったのであれば、最高にしあわせです。

  取り急ぎ現場厨に次の現場を!!連絡してほしいです!!!プリーズギブミー浪費先!!!!!